第15回八王子市中学校科学コンクール発表会に参加

12月2日に八王子教育センターで開催された、第15回八王子市中学校科学コンクール発表会、表彰式に、伊藤真人、大井みさほ、奥田治之、西原 寛、佐々田博之、町田武生、和田 勝会員が出席しました。このコンクールは主催:八王子市教育委員会、八王子市立中学校PTA連合会、後援:八王子市立中学校長会、協賛:オリンパス株式会社、NPO法人SSISS(科学技術振興のための教育改革支援計画)で実施されたものです。今年度は久しぶりにポスター発表が復活し、口頭での発表と併せて行われました。参加者も人数の制限はあったようですが、父兄や教員などに拡大して開催されました。会場はセンター3階の大会議室です。

36校の八王子市立中学校から96の自由研究作品が提出され、その中から先生たちによって22作品が入賞となり、さらに、最優秀賞1件、優秀賞1件、奨励賞5件、来年度のためのポスターイラスト賞2件が選考されました。

当日は、選ばれた奨励賞5件のポスター発表と、最優秀作品と優秀作品の口頭での発表が行われ、その後で、各作品に対する表彰式が行われました。次の写真は、開会前に撮影した来賓と受賞者の勢揃いのものです。前列左端がSSISS西原寛理事長です。

定刻の1時に八王子市教育委員会教育長安間英潮さんの開会のあいさつがあり、その後、八王子市長石森孝志さんのあいさつ(「科学する心を育む」と強調されていました)があり、その後、オリンパス株式会社の担当役員の田代芳夫さんのあいさつがありました。こちらもオリンパスの内視鏡の開発の歴史、40年以上もこの分野を牽引してきたと述べて、科学する心を強調していました。

1時半からポスターセッションが開始されました。奨励賞を受賞したのは、以下の5件です。
1)消化酵素の働きー胃薬は消化を助けるのか
   いずみの森義務教育学校 三浦遥馬
2)~SDGsについて考える~牛乳から作る「カゼインプラスチック
   第六中  次田優希
3)地上に届かない雨~地球温暖化や二酸化炭素濃度の上昇で雨が蒸   
  発する 石川中 大月さくら、井汲孝介、亀田一樹(天空の三重
  奏)
4)なぜ台風一過が起こる時と起こらないらない時があるのか
  綾南中  高橋恵理奈
5)水中シャボン玉の秘密
  松木中  笹原来実

セッションは、1ラウンド10分ずつ、1,3,5と2、4の二つに分かれてそれぞれ3回繰り返されました。展示されたポスターの前にはテーブルが置かれ、実験に使った器具やデータなどが並べられていました。発表のたびにポスターの前に集まって発表を聞き、発表に対して質疑応答がありました。次の写真は、1,3,5、2、4の順です。

1)は、様々な溶媒(水、コーヒー、牛乳、スポーツドリンク、ジュース、アルコール)に市販の胃薬を溶かして豚肉片を入れ、2-12時間後の豚肉片の変化を観察して、どの溶媒がよいかを比べています。
3)は、気象庁のデータを表計算ソフトで解析して、最近の日本では、雨の降る日は大量に降り、降らない日は全く降らないという差が顕著になっていることを見出し、雨のもととなる上空の水蒸気量が蒸発により減少する条件を気温、湿度、二酸化炭素量などの条件を変えて実験的に調べています。
5)は、水中シャボン玉(石鹸水をストローで石鹸水中に落とすと、落とした水滴が空気の層で包まれて玉になる)をうまく作るための条件をいろいろと調べています。洗剤の濃度や、水滴の大きさを変えるためにストローの径を変えたりして、最適な解を求めています。
2)は、環境にやさしいプラスチックとして、牛乳のカゼインからプラスチックを作成しています。牛乳の種類を変えて、出来上がったプラスチックを比較し、実際に土壌中に埋めて分解され方を見ています。
4)は、台風一過、すなわち台風が通り過ぎた翌日にきれいに晴れ上がる現象が、起きる場合と起きない場合があることに気が付き、どんな条件でそうなるかを、直近の10年間の気象庁と国立情報研究所のデータから解析しています。その結果、台風の中心気圧の高さや風速とはあまり関係なく、八王子が台風の進路の東側になるときに台風一過になる確率が高いことがわかりました。また、偏西風の向きが日本列島に沿っているときも起こりやすいという結果でした。

普通のポスターセッションと異なり、ポスターの前にテーブルを置いて、写真にあるように実験に使った器具や資料を並べて、各演者は説明をしていました。聴衆はテーブルの前に置かれた椅子に座り、さらにその後ろに立ち見で集まり、熱心に聞き、終わるといろいろと質問をしていました。

ポスターセッションが終わった後、関係者は別室に集まって、各賞の受賞者を誰にするか話し合いました。SSISSは1)の「消化酵素のはたらき」に送ることを決めました。それ以外は、PTA連合が2)、教育長が3)、校長会がが4)、オリンパスが5)でした。

この後、再び会議室に戻り、最優秀賞と優秀賞に選ばれた以下の2題の、スライドを使った15分の口頭の発表がありました。
優秀賞 死骸はどこへ?ー土に生きる分解者たちー
   椚田中  古市明日香
最優秀賞 みなみ野のセミ調査!
   みなみ野中  山本響子

古市さんは、大好きなセミの抜け殻が土に落ち、最後にはなくなってしまうことや、森の落ち葉が森中にあふれたりしないのはどうしてなのだろうかと疑問を持ち、調べたということでした。地面の表層にはミミズやダンゴムシなど、深いところにはオオセンチコガネがいますが、いろいろ調べてもっと大きな働きをしている「微生物」に行きつきました。実際に分解するかどうかを実験で確かめ、微生物が大きな役割を果たしていることを理解し、さらに生物のつながり「生態系」にまで考察が及びました。

山本さんは、中学1年の夏休みに、自分の住むみなみ野にはどのようなセミが生息しているかを知るために、セミの抜け殻を集めたのがきっかけで、2年生、3年生とセミの調査を続けてきたそうです。今回の発表がその集大成なのですね。

セミに抜け殻からその種を同定し、みなみ野に生息するセミの種類と数を推定し、気候との関連を調べたところ、高温・乾燥に強いセミが増加し、湿った環境を好むセミが減少していることが分かったということでした。

それぞれの講演に対して、活発な質疑応答が行われました。

その後、表彰式が行われました。教育委員会の西山豪一さんから、最優秀賞の山本さんへは賞状とトロフィー、優秀賞の古市さんへは賞状と盾が贈られました。

審査員奨励賞5件のそれぞれに、教育長、オリンパス、SSISS、校長会、PTA連合会からそれぞれ賞状が贈られました。

下のは、特にSSISS賞を西山理事長が授与しているところの写真です。

今回表彰された9人の方々すべてに、副賞としてSSISSから東京化学同人出版の「教養の化学-生命・環境・エネルギー」と誠文堂新光社出版の「天文年鑑2024」が贈られました、太っ腹!どちらも、SSISSの会員が執筆を担当している本です。前者は西原寛理事長、小林憲正、黒田智明、伊藤眞人さん、後者は萩野正興さん。

全体の講評は西原寛理事長が行いました。

閉会の言葉があり、無事にコンクールの全行事は終了しました。全受賞者の記念写真です。みんな、誇らしげですね。

最後に、当日参加したSSISSの「七人の侍」の記念写真を載せておきます。

余計な感想ですが、発表者以外に八王子中学校の生徒さんの参加がなかったのが、残念に感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です