八王子市立高尾山学園での活動(7)

町田武生会員が2月27日の午後、八王子市立高尾山学園で、「からだはさいぼうからできている」というタイトルで実験授業を行いました。参加した児童・生徒は3名、教員が3名でした。

この実験授業のねらいは、身体を構成するさまざまな組織・細胞を顕微鏡で観察して、いのちが細胞により保たれていることを考えてみることです。

最初に、細胞の概容にふれた後、ヒトの体は、1個の卵から始まって、細胞総数およそ37兆個になること、そのうちおよそ26兆個は赤血球であること、神経細胞は5千億個できるが、その8割は死滅して、残るのは1千億個であることなどを示しました(下の図は上から順に、細胞の模式図、赤血球、神経細胞)。
  http://www.stnv.net/med/erythrocyte.htmより
  http://manabu-biology.com/archives/42271371.htmlより

次にマウスの解剖図を配布して、体を構成する器官・臓器の説明を行いました。顕微鏡を用いて、各人の口腔上皮細胞の観察を行ってもらいました。

ついで、用意した組織プレパラートで、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、腎臓、精巣、卵巣、甲状腺、大脳などを、顕微鏡で観察して、スケッチをしてもらいました(下の図は上から小腸、甲状腺)。
http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/2anat/cn9/cn12/cn18/pg161.htmlより
  http://www.agri.tohoku.ac.jp/keitai/scope.htmlより

これらを見ながら、体を構成する細胞には、生涯にわたって分裂を続けるものがある一方、生まれた後は増えることなく、ずっと存続するものがあることを説明しました。筋肉細胞、脂肪細胞、卵細胞、神経細胞が後者の例であること、特に神経細胞の特異さを理解してもらおうと努めました。

生徒たちは進んで観察し、楽しんでいるように見えました。点と線で行うスケッチ画を、とりわけ楽しんでいる生徒がいました。

生きることが細胞によってもたらされていることを考え、命の大切さと結び付けて考えられるようにしたいと思い、そのように努力をしました。

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