江戸川区子ども未来館での活動(3)

有山正孝会員が、8月4日(水)の午後2時から3時半まで、江戸川区子ども未来館で「モーターのしくみ モーターを作ってみよう」というタイトルで、4~6年生の児童14人に実験授業を行いました。広報担当理事が、取材と称して参加したので、少し詳しく報告します。

江戸川区子ども未来館は、江戸川のほとり篠崎町三丁目にあり、一階が子どもライブラリー(篠崎子ども図書館)、二階が子供アカデミーとなっていて、二階に実験室があります。公式ホームページにある施設の概要は以下の通りです。

http://www.city.edogawa.tokyo.jp/miraikan/heyashokai.html

この子供アカデミーが企画・運営している「夏休み応援プロジェクト」のたくさんのプログラム一つとして、今年はSSISSが4つのプログラムを提供しています。

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この建物の二階、写真では右側(西側)にテラスがあって、ゴーヤの緑のカーテンが見事に茂っています(このゴーヤもプログラムの中で使われます)。

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この建物の左側には隣接してポニーランドがあり、子供は無料でポニーに乗ることができます。大人はダメみたいです。

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プログラムとは関係ない余計なことを書きましたが、いよいよ始まりです。始まる前に、準備をして用意周到です。右の写真は磁力線を可視化するために、手芸で使うビニール被覆の鋼線を短く切って、下から磁石をあててできたイガイガです。

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有山先生の紹介とあいさつから始まります。今日はボランティアの人が5人もいます。それぞれの方々を紹介。
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まずは、身の回りのどんなものにモーターが使われているだろう、という質問から。

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洗濯機、扇風機、エアコンの室内機と室外機、ちょっと考えただけで、たくさんあることがわかります。それではモーターはどうして回るのでしょうか。今日はそのことを実験で学んで、自分でモーターを作ってみようという内容です。モーターってそんなに簡単に作れるの???これがモーターです、と掌に載せたものは、、。

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かわいいモーターです。でも、ちゃんと回るからお楽しみに。

原理の説明。磁石は直接触れなくても、別の磁石に力を及ぼすことができます。銅線に電流を流すと磁力線を出します。磁針の上に電流を流した銅線を置くと、この通り、、。

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テーブルに小さな磁針と銅線があるから、試してみよう(あらかじめ単一乾電池と電池ボックスを渡してある)と、みんなも同じようにやってみると、、。

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確かに磁針が動きます。電池のプラスとマイナスを逆にしてつなぐと、振れる方向が逆になることも確認します。

今は、磁針が動くようにしたのだけれど、逆に磁石を固定して電流が流れる銅線をうごくようにすると、、。

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次の動画のように、ブランコ運動をします。

鉄棒の大回転、できる人いますか。私はできませんでした。でもあの原理です。こういう風に、力のかけ方をずらしていくと回転するようになります。

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さあ、モーターを作ってみましょう。カードボードにすでに用意した電池ボックスを両面テープで張り付けます。各テーブルにある、銅線を単三電池に3cmほど端を余らせて、しっかり巻き付けます。巻き終わった反対側の端も3cmほど余らせて、余らせた両方の端を今巻き終わったコイルを束ねるように巻き付けます。お団子を串刺しするように180度反対側に巻き付けます。

ここからが注意するところですよ。3cm余らせた一方の銅線の被覆部分をカッターナイフの刃の背でこすってはがします。最近の銅線は被覆の塗装の色は昔のようにこげ茶色でなく銅色なので注意をしてください。最初にマジックで全体を黒く塗っておくと分かりやすくなります。

次に反対側の3cm余らせた部分を、今度は下半分だけ被覆をはがします(この過程がうまくできない児童が多く見受けられたので、かなり丁寧に説明する必要があるようでした)。先生とボランティアが大活躍です。

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クリップを加工した軸受けを2cmほど離して両面テープで固定。そこに作ったコイルを載せてミノムシクリップが両端についた銅線で電池と結ぶと、。先生とボランティアの大活躍のおかげで、全員の手作りモーターが回りました。

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回っているモーターの動画です。よかった、よかった。

有山先生、ありがとうございました。

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参加者のコメントです。

「モーターがどのように動いているか、自分でモーターを作れて良かったです。モーターの仕組みを勉強して、もっと本格的なモーターを作ってみたいです。(6年男)」
「どうやったらうまくコイルがまわるのかを知りたい。モーターはむずかしい仕組みで、作るのがむすかしいことがわかった。(6年男)」
「モーターはせんぷうきにつかわれているので、そのモーターをつくることができてよかった。(5年男)」
「簡易モーターをつくった。最初は力を加えないと回らなかったが、少しずつモーターの回る力が増していき、最終的には、何もしなくても回り続けた。(5年女)」
「じしゃくに ー〇ー これを近づけると速く回る。(4年男)」

など、など。

江戸川区子ども未来館での活動(2)

廣田穣会員が、7月29日(水)の午後2時から3時半まで、江戸川区子ども未来館で「酸性、アルカリ性って何だろう」というタイトルで、3~6年生の児童15人に実験授業を行いました。広報担当理事が、取材と称して参加したので、少し詳しく報告します。

江戸川区子ども未来館の二階にある「コース室1」は小学校や中学校にある理科実験室のような作りで、各種の設備,器具がそろっています。今回は、ここで化学の実験です。まずは廣田先生の紹介とごあいさつ。そののち、スライドを使って説明です。

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まずは水とは?水溶液とは?
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各テーブルの上には、実験器具がそろっています。
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「酸性」とか「アルカリ性」というのは、水に何かが溶けていて、その溶けたものの種類によって生まれる性質です。それでは、どうやってそのことを知るのでしょうか。そう、有名な「リトマス試験紙」ですね。小学校か中学校の時に「青→赤、酸性」「赤→青 アルカリ」と覚えました。

まず手始めに、テーブルに置かれた箱の中に用意された2色のリトマス試験紙で、ポリ瓶に入った各種の水溶液をチェック!!リトマス試験紙をピンセットでつまんで、ン、そこの液まで届かないぞ、、。

リトマス試験紙はどうやって作るのでしょうか?何やら薬品をシャーレに入れて、蒸留水を注いで、ろ紙にしみこませると、、。
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青いリトマス試験紙ができました。今度は塩酸を加えて酸性に変えるとピンク色に。これもろ紙にしみこませました。なるほど、これで2種類の試験紙ができました。粉はリトマスゴケから抽出したものだとか(今は人工的に合成しているようですが)。

少し難しい説明が、、、。pH(ペーハー、あるいはピーエッチ)というのは酸性、アルカリ性を示す数値です。1、2,3という数字は実は10倍になっているといます。酸性でもアルカリ性でもない値は7で中性といい、1から7までが酸性、7から14までがアルカリ性といいます。ちょっと難しい。
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リトマス試験紙よりも、もう少し、このpHの段階がわかるものがあります。万能pH試験紙です。これは、いくつかの指示薬を混ぜてろ紙にしみこませたものだそうです。
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複数の指示薬を使って、食用酢のpHを調べてみましょう。
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身近な野菜や果物の色素を使うと、万能指示薬ができます。ここではムラサキキャベツのジュースを、食用酢や、食塩水、炭酸ナトリウム水溶液、薄い水酸化ナトリウム駅に入れて色の変化を見てみましょう(これ以外にテーブルによってはブルーベリーのジュースなど)。
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見事に色の変化が、、。左から右へ、酸性、、中性、、アルカリ性の水溶液を並べています。

現在ではpHメーターで直接pHの値を読み取れます。誰か前へ出て、、。やってもらいました。
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最後に時間の関係で省いてしまったけれど、面白いマジック。ある溶液を激しく振って酸素と混ぜ合わせると、信号機のように黄、赤、緑色に変わり、時間がたつと反対方向に戻ります。
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この溶液の作り方(江戸川区子ども未来館の谷川さんより教えてもらったレシピ)

用意するもの
〇液体を入れる容器(フラスコ+ゴム栓、ペットボトルなど密栓できる容器)
〇ぶどう糖(グルコース)、水酸化ナトリウム、インジゴ・カルミン(染料の一種)

作り方
1.400mlの水にぶどう糖4.8g、水酸化ナトリウム8gを溶かします。これにインジゴ・カルミンを少量(耳かき半分程度)を加えます。(この時の液の色は黄色です)

2.1.の液をフラスコやペットボトルに入れてしっかり蓋をします。その後振りまぜると、最初の黄色から赤色になり、さらに激しく振ると緑色になります。また、この液をしばらく放置すると、緑色→赤色→黄色へと戻ります。この反応は繰り返し行うことができ、かつその反応液の色にちなんで「交通信号反応」とも呼ばれています。

※この反応は数時間経つと色変化が起こらなくなります。 色変化しにくくなった場合はインジゴ・カルミンを少量加えたり、容器の蓋をあけて空気を入れ替えると持ちがよくなります。色の変化は、空気中の酸素によるインジゴ・カルミンの酸化とブドウ糖による還元によって起こります。

最後に、廣田先生、ありがとうございました。
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