池袋立教中学校・高等学校での活動

西原寛、有山正孝、小林憲正、佐々田博之、町田武生、和田 勝会員が、7月23日の午後1時から開催された、立教池袋中学校・高等学校の科学部研究会発表会に参加して、助言を行いました。今年度も生物部は参加せず科学部だけで、Zoomを使った研究表会でした。

この画面キャプチャーは、終了間際です。

演題は中学生から7題、高校生から6題あり、途中2回の休憩をはさんでほぼ予定通りに進行し、午後3時40分に閉会式が行われました。いずれの演題もパワーポイントを使って発表され、7分の発表時間の後に3分の質疑応答が行われました。プログラムは次の通りです。

質疑応答の時間には、西原理事長をはじめとして佐々田会員、町田会員がコメントを述べました。どの演題も問題を設定して実験によって解決しようとする姿勢が見て取れ、これからの発展・展開が楽しみです。

千葉県立佐倉高校での活動(三)

佐々田博之会員が、7月19日の午後に、千葉県立佐倉高等学校のSSH活動の一環として、「マイ分光器を作り光源の性質を調べよう」というタイトルで、2年生の生徒40人に対して実験授業を行いました。

最初にスライドを使って、「波動」に関して手短に説明をしました。
波動とは空間や物質の内部を変化が次々と隣に伝わって行く現象です。たとえば、水面に指を触れると、水面の高低が同心円状に広がっていきます。これは水面波で指を触れたところを波源と言います。水のように波動を伝えるものを媒質と言います。

波動を特徴づける性質が二つあります。一つは回折、もう一つは干渉です。
回析とは、平面的に進んできた波が障害物にぶつかったとき、そこにスリットがあると、このスリットを新たな波源として障害物の陰の部分にも波動が広がっていく現象です。

Wikipedia回折の項より

防波堤の隙間(スリット)で回折した波で、砂浜が半円形に浸食されているのがわかりますね。

GoogleMapより

干渉とは、波が重なり合うと、強め合ったり弱め合ったりする現象です。

Wikipedia干渉の項より

上の写真では、緑丸と赤丸を波源とする波が干渉して縞模様が見えます。緑の円と赤の円の交点で波は強め合っています。

光も波の性質を持つ電磁波ですから、上に述べた回折と干渉が起こります。スリットが複数ある場合は、異なるスリットで回折した光が干渉して特定の方向にだけ進むようになります。今回使う回折格子は、1mmあたりに数百本の周期構造を持つシートです。

というような説明を簡単にして、マイ分光器の製作にとりかかりました。

光を回折格子に垂直にあてるために、装置を工夫しました。

型紙に合わせて工作用紙を切り、回折格子シート500 line/mmをはり付けます。

こうしてできたマイ分光器と、その使い方です。

製作開始から約30分で、ほぼ全員が装置を完成させていました。

さっそく製作した分光器を使い、照明(白熱電球、Hg入り蛍光灯、LED蛍光灯)を観察し、さらに太陽光を観察しました。太陽光のスペクトルは虹色が連続して見えましたが、ところどころに黒い吸収線(フラウンホーファー線)があることを確認できました。

また、スペクトルランプ(Ne, Na)を観察しました。さらに、炎色反応(NaCl, CuCl2)も観測しました。

連続スペクトルと線スペクトルを説明し、元素は固有の波長の線スペクトルを持つことを説明しました。
自作の装置で綺麗なスペクトルが観測できて、生徒達も楽しんでいました。