本年度は同校自然探究部においてSSISSの会員が3回活動を行うことになっています。11月27日には2回目として坪村会員が、同部生徒15名に対して、化学に関する指導を行いました。本年のテーマは「金属」で、まず坪村がパワーポイントを使って講義を約30分間行いました。講義においては、まず金属にはどのようなものがあって、どのような性質があるかを生徒にも考えさせました。生徒からは金属として鉄や金といったものがあるとの答えが出ました。次に金属イオンとその化合物について、硫酸銅など中学校でも習う物質を例に紹介し、金属イオンが体の中でどのような働きをしているかについて、血液中で酸素を運ぶ鉄を例に説明しました。さらに、赤ちゃんの粉ミルク缶の表示から、銅(硫酸銅)がわずかな量ですが、粉ミルクに入っていることを説明しました。そして、金属イオンが溶液に含まれているかどうかを調べる方法の例として、鉄と反応すると着色する試薬を紹介し、これを用いて実際に実験を行うこととしました。この試薬は鉄の濃度を分析する目的で市販されているもので、フェナンスロリンという化合物が含まれています。なお、本年のノーベル化学賞を受賞された北川進先生らの化合物も金属が含まれる化合物であることをお話ししました。
講義の様子(左)と、ろ紙のひだ折りを練習しているところ(右)
実験は1班3-4人で、4班に分かれて行いました。まず硫酸鉄(II)の水溶液に、鉄の検出用試薬を加えて、オレンジ色に発色することを観察しました。このとき班によって硫酸鉄水溶液の濃度を変化させて行い、鉄の濃度が薄いときは薄く着色することが見て取れました。
鉄の入っている溶液に検出試薬を入れるとオレンジ色になる様子。
引き続き、各種の飲料に各種の飲料を加えてどの飲料に鉄が含まれているかを調べました。用意した飲料は鉄が入っているものとして、市販の鉄飲料2種、鉄が入っていないものとして、ペットボトル入りのお茶や清涼飲料水を使いました。各班これらの中から3種を選び、先ほどの試薬を加える実験を行いました。鉄を含むとする飲料は確かに変色し、そうでない飲料は色が変化しないことを確かめました。最後に坪村が今回の内容をまとめて実験授業が終了しました。鉄を含むという飲料では変色が起こり鉄が入っていること、そしてお茶や普通の清涼飲料水では変色が起こらず、確かに鉄が入ってないことがわかり、生徒も興味深そうにしていました。
各班で分担していろいろな飲み物や試料溶液に鉄分析試薬を加えてみたところ。右からALFEneo、リポビタンD、ペットボトルお茶、シャインマスカット味清涼飲料水、毎日ビテツ、硫酸鉄(II)水溶液です。
実験に使った鉄を含む飲料 画像はhttps://www.glico.com/jp/product/babyfood/bitetsu/ と https://brand.taisho.co.jp/alfe/bugaihin/product/neo/ より引用
以上








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