東村山市野火止小学校での活動

有山正孝、大井みさほ、奥田治之、和田勝会員が、11月17日の午前中に、東村山市野火止小学校で、6年生の児童102名に対して実験授業を行いました。この活動は「東村山夢と希望プロジェクト」から依頼されて行う最初の出前授業で、6年生の児童全員が4つに分かれて、4つのテーマを2つずつ選んで3,4時限の45分授業時間に行いました。校長先生、副校長先生をはじめとして、多数の教職員の方々に、積極的に受け入れ準備と当日の実施に気を配っていただきました。児童への授業の宣伝として、こんな物を作成して掲示していただきました。

写真にあるように、それぞれの授業のタイトルは、有山会員が「電流と磁石-原理と応用-」、大井会員が「光で遊ぶ、レーザー」、奥田会員が「望遠鏡で見ると物がなぜ大きく見えるか」、和田会員が「生き物は細胞という単位でできている」でした。

9時に学校に集合し、各自が割り当てられた会場(体育館や理科実験室など)で準備を行い、 10時25分より体育館で開講式が行われました。校長先生のあいさつの後、講師の先生方(つまり我々)が紹介され、教育委員会関係の方のあいさつなどがあった後、各会場に分かれて授業が行われました。 各会場の様子を写した写真を野火止小学校から提供いただいたので、それを交えて実験授業の様子を簡単に書いておきます。

〇有山正孝会員は、「電流と磁石-原理と応用-」ということで、最初に電流と磁石の相互作用について説明しながら演示実験を行いました。電線に電流を流すと磁力が発生して電線が磁石になります。

これらのことを理解したうえで、 1人ずつクリップモーターを作ることにします。エナメル線をコイル状に巻いたものや電池ボックスと基盤になる厚紙は、有山先生が 用意しておいてくださいました。 ゼムクリップで 軸受を作り、 コイルから出た直線部分のエナメルをはがします(一方は全部、一方は上半分だけ、ここがポイント)。

基盤に電池ボックス、軸受け、永久磁石を配置し、ミノムシクリップが両端についた被覆線で配線して、軸受けにモーターとなるコイルを載せます。ちょっと動かしてやると、くるくると回りだします。成功です!電流と磁石の関係が分かったかな?


〇 大井みさほ会員は、「光で遊ぶ、レーザー」ということで、赤、緑のレーザーポインターを使って、光の進み方を観察しました。

レーザー光はなぜ収束したまっすぐな光なのか、その原理を図を使って説明しました。最後に、偏光板を使って自然光と蛍光灯の光を比較しました。

〇奥田治之会員は、「望遠鏡で見ると物がなぜ大きく見えるか」ということで、 最初にピンホールカメラの原理、レンズの働き、焦点距離の説明をスライドを使って行いました。

奥田先生自作の装置とレーザー光による光の進み方を使った演示実験、下の写真の後ろ側に少し見えているのがレンズです。これらを使って光の屈折を調節でき、焦点距離などを実感できます。

実物の望遠鏡での体験では、隣の中学校の時計がはっきり見えるのに驚きました。

〇和田勝会員は、「生き物は細胞という単位でできている」ということで、単細胞生物ゾウリムシとタマネギ輪茎葉の表皮細胞を顕微鏡で観察し、細胞を意識させることを目指しました。

最初に、拡大するとはどういうことかを実感するために、実体顕微鏡を使って新聞の折り込み広告のカラー写真を見てもらいました。肉や野菜の写真を拡大して見ると、細かい色の点が見えます。カラー写真が、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)と黒(K)で構成されていることが分かります(CYMK)。

持参したゾウリムシを配り、観察してもらいます。最初は自由に観察してもらい、0.2mmほどの単細胞生物が動き回ることを楽しんで観てもらいました。動きを止めるために、メチルセルローズを加えました。最後にタマネギ輪茎葉の表皮細胞層を引きはがして配り、酢酸カーミンで染色して観察してもらいました。細胞がびっちりと並んでいるのが面白かったようです。

45分という枠の中での説明や演示実験、実験だったが、児童たちはそれぞれの実験を楽しんだようで、副校長さんからのメールに「放課後の職員室においても、授業の素晴らしさ、子供たちの喜びの声など様々なことを遅くまで話題にしていた。」とありました。 また後日、送られてきた児童の感想文には、「おもしろかった」、さらには「もっと知りたいと思った」、「調べてみようと思った」、などの記述があり、科学っておもしろいというメッセージが伝わったのだと思いました。

市川学園市川高等学校での活動

新型コロナウイルス感染拡大のために、SSISSの活動も大きな影響を受けました。今年度に入り総会がリモートになり、支援の依頼もなくなりました。ようやく8月に入って、江戸川子ども未来館と東京雑学大学での活動が行われました(Web掲載済み)。例年なら、7月頃に市川学園高等学校の生徒のポスターによる研究計画の発表があり、これに対して指導助言の要請があるのですが。今年は依頼がありませんでした。

そんな折に、市川学園の担当者から、今年度は上記の理由で予備実験を行って研究経計画を立て、ポスター形式で発表することができなくなった、その代りに、実験を行わずに研究の背景や予定する実験についてまとめた計画書を提出させたので、それに対してアドバイスをお願いしたいと電話がありました。この依頼は、例年、ポスター発表会で指導助言を行っている、細矢治夫、町田武生、和田勝会員に来ました。

以下は、和田が代表して活動について書き留めておきます。引き受ける旨を電話口で返答すると、8月4日付で、生物分野の64テーマの研究計画書とコメントシート、生物分野以外も含むすべての計画書とコメントシートが入ったCD-ROMが送られてきました。計画書を読んで、気が付いたことなどのアドバイスをコメントシートに記入して8月末日までに返送してほしいとのことでした。

生物分野は、64テーマの個人あるいはグループによる研究計画書で、 4冊に分かれて綴じられていました。結構のボリュームです。 計画書には、氏名、タイトルのもとに、動機、背景、目的、実験計画と結果の予測、参考文献の項目があり、なぜタイトルにある研究を行おうとしたかの動機や、研究の背景、目的が記載されています。インターネットの時代を反映して、調べるにあたって参照したWebページが参考文献に挙げられていました。予備実験をできない中、いろいろと調べて書き上げたことがうかがえます。それゆえか、実験計画は十分に練られてなく、計画となっていないものも散見されました。仮説を立て、予備実験をして実験計画を練るという過程が、この時期にはできなかったので仕方がないのかもしれません。そんな点を念頭に、実験のやり方などの具体的な点をアドバイスしました。

この実験計画書をリバイスして、 9月から計画に従って実験が行われているはずです。実りある結果が出ていることを祈っています。