江戸川区子ども未来館での活動(2)

和田勝会員が、8月17日の午後に、江戸川子ども未来館の夏休み応援プロジェクトの一つとして「生き物は細胞でできている」というテーマで、小学校児童11名に実験授業を行いました。15名の応募があったということでしたが、欠席が予想よりも多かったようです。 例年時間が足りずにあわただしいので、今年は午後1時から4時まで、3時間の枠を取ってもらいました。途中で休みを入れるつもりです。

始まる前の静かな実験室。写っているのはボランティアで補助をしていただいた高校生Mさん。

事前に11ページほどの 資料を送付してコピーをお願いしておきました。少し早めに子ども未来館2階の会場に到着すると、子ども未来館の前川さんが顕微鏡などを並べ、準備をしておいてくれていました。コピーされていた資料を机の上に置き、小さなシャーレに持参したゾウリムシを入れて配布し、底に敷く黒い紙も用意してもらいました。そのほかの準備を、ボランティアの方も交えて整えて、あとは1時の開始を待つばかりになりました。

基本的な内容は昨年のものと変わらないので、詳しいことは省略しますが、今回は、20倍の実体顕微鏡がテーブルにあったので、広告チラシを裁断して各自に配布しておききました。受講者の児童が入ってきました。気を引き締めて開始です。今回、いつもと違たのは大きなビデオカメラを持った人がいたことです。J:COM江戸川の方で、夕方の地域限定のニュースのために、取材に来てくださったそうです。撮影してもいいかを、口頭でみんなに確認して許可を受けました。

自己紹介の後、今日のテーマである「生き物は細胞からできている」の趣旨について説明しました。5年生の時に、メダカの発生やヒトの胎児のお母さんのおなかの中での成長について学習しますが、体が大きくなるということはどういうことか、細胞という単位の数が増えていくのだということを強調しました。

ところが細胞は普段の生活の中では目に見えないために、その存在に気が付きません。それで拡大する装置が必要だということを説明し、テーブルの上にある実体顕微鏡で広告のチラシの色のついた写真を眺めてもらいました。広告の魚や果物の写真は、小さな色の点で印刷されていることが分かります。色(色材)の三原色はCYMKがあることをちらっと説明しましたが、あまり興味はないようでした。確かに、細胞とは関係ありませんものね。で、その実体顕微鏡を使ってシャーレに入れたゾウリムシを観察してもらいました。小さな白いものが、ざわざわと泳ぎ回っています。さあ、このあたりから本題に移ります。光学顕微鏡を使ってゾウリムシの観察です。

顕微鏡は学校でもう使ったことがあるというので、操作法についてあまり詳しくは説明しませんでした。あとのほうで、対物レンズを下げすぎてスライドグラスを割ってしまうという事態が何件か生じたので、やはりちゃんと説明するべきでした。ともあれ、動き回るゾウリムシを観察することができました。

この後は、タマネギの鱗茎葉表皮細胞、ミニトマト果皮の表皮細胞、自分の頬の上皮細胞を観察してもらいました。タマネギとトマトの細胞の形や細胞の周りの部分(細胞壁ですが、最初はあえて名前を言わずに)の厚みの違いは?、植物細胞と頬の上皮細胞の違いは?、など自分で考えるように促しました。

細胞の数が増えることによって、体が大きくなっていくのだということを実感してもらうために、ウニの発生の動画を見てもらいました。そのあとで、ネギの根端分裂組織を観察して、分裂像を探してもらいました。

分裂像は、見つけられた児童も見つけられなかった児童もいましたが、細胞の中には一つだけ核があって、その中には染色体があって、そこに遺伝子が乗っているんだよ、ずっと後で習うことだけどね、という話で終わらせました。長丁場で聞いているほうは、ちょっと疲れたかもしれません。先生も疲れました。あ、そうそう、休み時間はちゃんと取りました。その間に、J:COMのカメラマンの方はインタビューをしていました。

次の動画が、8月19日午後5時からJ:COM江戸川のニュースで流れたものです。とてもよく編集されていて、ナレーションもよく、実際以上に児童たちはよい体験をしたと受け取ってもらえるかもしれません(ちょっと謙遜)。

受講した児童からのアンケート結果は以下のようなものでした(回答数11)。

わかった度 Good 5、 Fair 5、 Poor 1
わくわく度 Good 4、 Fair 6、 Poor 0

感じたことやわかったことをかく欄には、次のような記述がありました(抜粋、原文ママ)。
「説明がとても聞きとりやすかった。このじゅ業を受けてよりさいぼうのことを知りたくなった。もっといろいろなさいぼうを観察したい」「きそく正しくびっしりとつまっている」「赤いえきをたらしたら、とても見やすくなって、びっくりした」「今日の講座では、細胞についてわかりました。自分のほほの中からトマトまで、いろんな細胞まで見れました。自分のほほの中の細胞があることにびっくりしました。<-細胞という言葉をしらなかった」「食べ物にも細胞があり、分裂もすることがわかった」「野菜(トマト)は、色素が赤いから、トマトの実は赤くなる。単細胞生物と多細胞生物がある事を知りました」

江戸川区子ども未来館での活動(1)

大井みさほ会員が、8月12日の午後に、江戸川区子ども未来館の夏休み応援プロジェクトの一つとして、「光の進み方を調べてみよう」というテーマで、小学校児童10名に実験授業を行いました。

児童らの各テーブルに水槽を置き、水槽には水と少量のカルピスを入れて光の軌跡が見えるようにします。 緑と赤のレーザーポインターを配って、水槽の横からレーザーポインターで光を当ててもらい、光の反射と屈折を観察してもらいました。

次に、2人一組になって、光ファイバーを使ってレーザー光が光ファイバー内を全反射しながら進んで反対側に到達することを確認し、信号を送ることができることを実感してもらいました。

その後、キャラメルの空き箱を使って片方の面にスリットをあけ、その反対側に四角の孔をあけてもらいまし回折格子片を張り付け、簡易分光器を製作してもらいました。蛍光灯の光を観察し、赤や緑などのスペクトルの色が見えることを確認してもらいました。

最後に児童らにはプリントを配り、白板に説明図を描きながら、光の屈折についての説明や光の波としての性質の説明を行ないました。

八王子市立中学校PTAとの打ち合わせ

有山正孝、大井みさほの各会員が、7月21日の夕方、八王子京王プラザホテルで、八王子市立PTA連合の役員の方々と、今年度の八王子市立中学校科学コンクールへの協力について打ち合わせを行いました。

この活動はここ何年か 続いている活動で、今年は第11回になります。SSISSは昨年と同様、このコンクールに協賛することになりました。

12月7日(土)に開催される、優秀作品の発表会とポスター展示に参加して、ポスター発表の中からSSISS賞を2点、選出する作業を行うこと、表彰式で表彰状と副賞を理事長が選出された生徒にに授与する、ということが決まりました。

立教池袋中学校・高等学校での活動

大井みさほ、小林憲正、和田勝の各会員が、7月20日に立教池袋中学校・高等学校で開催された2019年度立教池袋中学校・高等学校の科学部と生物部合同研究発表会に、急なことだったのですが招かれたので助言できるかもしれないと思って参加しました。昨年と異なり、今年は池袋だけの中学校・高等学校の生徒の発表会でした。

発表は生徒2名の司会により進められ、午前中に休憩を挟んで5題ずつ計10題、午後からも同様に10題の演題があり、中学生によるものが14、高校生は6題でした。科学部と生物部が半々でしたが、科学部の演題は物理が少なく、ほとんどが化学を題材としたものでした。

生物分野の題材に関して言えば、「クローバーの研究」「ヤドカリの研究」「ゴンズイの研究」という大きなタイトルのものが多く、内容はまだ計画段階のものや、焦点が明確でないものが散見されました。中1から高3へとだんだんと切り口や方法などが洗練することが認められましたが、科学的な研究の基本である、「現象を観察し、なぜそのようになるか仮説を立て、実験を行い検証する」という手順を踏んだものが少ないことが気になりました。

研究計画を立てるとき、あるいは少し経って研究が始まったときに、上で述べた科学の手順を踏むためには、どのような実験を行えばよいか、どのように結果を考えて次のステップに行くのがよいかを、SSISSとして相談を受けたり助言するのが有益ではないかと思いました。


市川学園市川高等学校での活動

廣田穣、細谷治夫、町田武生の各会員が、2019年7月6日に市川学園市川高等学校で行われたSSH生徒課題研究の今年度の中間発表会に参加し、指導助言を行いました。

例年と同じように、今年度に新しく始まった課題研究の中間発表を生徒がポスター形式で発表するものです。詳しい情報がないので、この件については、これまでとします。