第7回八王子市中学校科学コンクール最終審査

有山正孝、細矢治夫、奥田治之、町田武生会員が、10月24日の午前9時半から昼食をはさんで午後2時まで、八王子市立油井中学校で開かれた、第7回八王子市中学校科学コンクール最終審査に参加し、生徒の作品の審査を行いました。

このコンクールは八王子市立中学校PTA連合会が主催しているもので、SSISSはこれまでも、中学校での課題実施に対する相談、デモ実験などを通して協力してきています。

今回は、最終審査会に参加して他の5名の審査員とともに、応募作品140件の中から2次審査を通過して最終審査に上げられた35件の作品を審査し、入賞5件を決定しました。入賞者に対する表彰式は11月28日に行われます。

着眼点の面白いもの、丁寧な観察をまとめたものなどが見られた半面、ネットで知った実験をほぼそのまま行ったものや、科学研究としては疑わしいものなどもありました。また、数量的な扱いがほとんどなされていなかったのが残念でした。今後、これらの点に対して、どのような啓発活動を行えるか考える必要があると感じました。

しかしながら、PTA連合会の活動としては特筆すべき取り組みで、今後の一層の発展が期待されます。

板橋区立中台中学校での活動

清水忠雄会員が、10月22日に東京都板橋区立中台中学校で行われた板橋区立中学校理科教育研究会の実験授業を参観し、その後の講評会に参加しました。以下は清水会員のコメントです。

今回の実験授業は、中学三年生理科の「運動とエネルギー」で、生徒約50人に対して中台中学校の教諭が行いました。実験は教科書に沿って、ペットボトルの蓋(キャップ)を10個、三角形になるよう並べ、その頂点に指ではじいて簡易速度計を通した別のキャップをぶつけ、何個のキャップが動いたかを数え、速度と動いたキャップの数をグラフに描いて、運動とエネルギーの関係を明らかにするというものです(次の図は下のサイトから借りています)。今回の実験授業では、 グラフを描く作業は宿題になりました。

清水図

丸亀市立中学校池本和志氏の報告より

この実験は、衝突によってキャップが飛び上がってしまったり、遠くに飛びすぎたりする例がみられ、キャップの移動という現象が、正しく運動のエネルギーを反映していない場合が多いこと、グラフを描く作業は宿題にせずに、その場で行う方がいいとコメントしました。上記の丸亀中の報告書では、飛び上がらないように、また速度を適正にするために、事前の練習が必要だと述べています。

キャップを使ったこの実験では、誤差・ばらつきが大きすぎるが、それでもグラフは二次関数にフィットすることを示すべきで、そこからエネルギーがなぜ速度の2乗になるかを物理的に説明できるように誘導すべきだと思いました。この実験を改良するためには、衝突体を球形にすること、運動エネルギーを受け取る方も球体1つにして、はじかれた距離を計測した方が、より正確な結果になるのではないか、などの検討がなされました。

これに関連して、「中学理科(ハロ理科)No.14」には、台車を使い、動けるように挟んだ物差しにぶつけて、その物差しの移動距離を計測する例が載っています。台車のスピードを変えて計測し、別な実験では台車の重さを変えて計測し、そこから、運動エネルギーは「物体の速さの2乗X物体の質量」に比例することを導くとしています(次の図は上記のサイトから借りています)。

hsrika014014

キャップを使った実験の問題点を十分に議論する時間がなかったのと、エネルギーの理解に向けた授業案を用意したけれど披露する時間がなかったのが残念でした。

公文国際学園での活動

細矢治夫、行本万里子、廣田 穰会員が、9月29日から10月2日の4日間、午前9時30分から12時20分まで、横浜市戸塚区にある公文国際学園中等部・高等部で、学校行事の一つであるインタレストスタディーズの中で実験授業を行いました。受講したのは、1年生を中心に21名でした。この学校行事は、通常の授業ではできないような企画を教員それぞれが提案し、生徒が企画を選んで4日間集中的に学び、教科・ジャンルにとらわれず生徒の興味と関心を引き出す目的で行われています。

公文国際学園のインタレストスタディー紹介ページhttp://kumon.ac.jp/k-gakuen/kokusai/20151020NewsJuniorGyouJi.html

SSISSは次に述べるようなテーマを提供し、公文国際学園の担当者である根市有希教諭の助言のもと、16人の生徒が2人1組となって実施し、最終日には生徒による実験結果のまとめの発表会を行い、質疑応答を行いました。

実施したテーマは、1)折り紙を使った分子に立体模型(細矢)、2)pHによる植物しぼり汁の色の変化(廣田)、3)色の変化の化学(廣田)、4)電気をつくる-電池を中心として(廣田)、5)藍染めによる染色の実験、です。

ここでは3)と4)を取り上げて、どのような狙いで行ったかを書いておきます。

3)色の変化の化学
〇クロムCr,マンガンMn,鉄Fe,コバルトCo,ニッケルNi,銅Cuなどの化合物の結晶の色(例:硫酸銅、塩化コバルト、過マンガン酸カリウムなど)
〇試薬を加えると色が出たり変わったりする反応(呈色反応)
〇pH指示薬による染料の反応、ヨード-デンプン反応、インジゴカルミンの酸化還元反応のような有機化合物による反応
〇炎色反応(無色の化合物でも炎色反応は出る)

炎色反応 YouTubeより

硫酸銅や塩化コバルトの色の変化と過マンガン酸カリウムなどのマンガン化合物の色の変化にはどのような違いがあるか。
物質色についての実験と、物質の放つ光の実験とに分けて、比較して考察してみよう。

4)電気を作るー電池を中心として
電気を作るいろいろな方法
〇力学的な力でタービンを回す発電(火力・水力・原子力など)
〇光電効果を利用した発電(太陽光発電など)
〇温度差を利用した発電(ペルチエ効果)
〇化学反応を利用した発電(電池)
11円電池
11endennchi-kaoku
上の図は下記のページより
http://www.eonet.ne.jp/~n-koubou/faradei-pulan.htm

この実験で作った電池の特徴をくらべてみよう。
電気から他の形のエネルギーに変換する方法にはどんなものがあるか。