「活動記録」カテゴリーアーカイブ

狛江市立緑野小学校での活動

諸般の事情で投稿が遅れ、年度を越えてしまいましたが、3月の活動を報告します。

江尻有郷会員が、3月15日の午前に、狛江市立緑野小学校の4年生2クラスの児童に対して、「空気と金属」というタイトルで実験授業を行いました。

事前に授業案を送って打ち合わせを行って授業内容を詰め、実験内容にあった物品の準備、機器の準備の確認を行いました。そのうえで、当日は以下のような実験授業を行いました。
1)空気の働き(吹き矢で矢を放ち的に当てる実験)
2)金属の実験(金属による電気の流れの違い)

1)の実験は次のように行いました。吹き矢の筒として直径5mmの曲げられるストローを使い、矢としては頭部径4mmの釘を、的としてA4の紙に色付き円を描いたものを使いました。4名の班だったので2名ずつ、矢を吹く人と的を持つ人に分かれ、交代してストローに吹き矢を吹いて的に当てる実験を行いました。吹く息つまり空気の力で釘が飛んでいくことが実感できます。ストローをつないで長くするとどうなるかを加えるなど、発展させることができますが、20分間ではそこまではいきませんでした。

2)直径2mm、長さ10cmの銅、アルミ、鉄、真鍮の線を各班に配布し、豆電球と単3電池2本のセットにワニ口クリップで結線して豆電球の明るさを比較し、同じように検流計につないで針の振れを比べました。回路配線の説明は黒板を使ってあらかじめ説明をしておきました。金属によって電気の流れ方が異なることが見て取れます。20分間で行いました。

最後の5分間を使ってアンケートを取りました。

大田区立西六郷小学校での活動

有山正孝会員が、2月28日に大田区立西六号小学校で、大田区おもしろ理科教室の一環として、6年生の児童2クラス60名と特別支援学級児童9名に対して実験授業を行いました。教員8名の参加もありました。

1月25日に、同校を訪れ担任の内藤教諭と事前の打ち合わせをした際に、小学校で学習した電気と磁石に関する事項を復習・統括して、さらにそれを発展させるような内容にすることで話がまとまり、それに沿うような内容で、次のような順序で実験授業を行いました。

1)最初に小学校で学習する電磁気関連項目の復習をしました。
2)次に、日常生活の中で目に触れる電気についての認識を例を挙げて確認しました。
3)学習指導要領には含まれていないが、日常的に体験し話も聞いている静電気について、摩擦電気の発生を児童自身が実験で観察し、火花放電を演示して見せ、雷の話も含めて解説しました。
4)電磁気学の研究の歴史を手短に話して、静電気と電流の関係を解説しました。
5)電流の基本的性質として発熱と磁化作用があることを説明し、金属は高温で光を放射すること、電流の磁気作用により導線を動かせることを、児童の実験と演示実験によって確認しました。
6)電磁誘導と発電機、渦電流を演示実験で示しました。
7)電気の正体を明かすために、電子について解説し、電子によって電流を理解できることを話しました。

少し難しいところまで話が及びましたが、参加した8名の教員の方々が熱心にサポートしていただき、児童は楽しく学んでくれたように感じました。

三鷹市立第三小学校での活動

日江井榮二郎会員が、2月8日(水)の午後に、三鷹市立第三小学校で、「教員への願い、自分の星を見つけよう、太陽の活動」というタイトルで、三鷹市立の公立小学校及び中学校の教員50名弱に対して講演を行いました。この活動は、三鷹市の公立小・中学校の理科研究部の顧問である鈴山尚子三鷹市立第五小学校長から、大井理事長あてに依頼があり、地元である日江井がひき受けたものです。

当日は午後2時30分から、理科研究部の教員向けの研修があり、教員の方3名が、工夫した教育の仕方について報告があありました。それに引き続いて、講演をしました。

その中で特に強調したのは、教育のプロである皆さんは、次世代を担う子供たちを育てるという大切な仕事をしているので、その矜持を持ってほしいとお願いしました。そして、児童・生徒が自分はかけがいのない存在だと気が付くように、「自分の星を見つけよう」というタイトルで話をするが、そこで子供たちに話かけるために使っているパワーポイントのスライド集を、使えるものはどうぞ使ってくださいとくださいと、渡してきました。

また、ガモフの不思議な絵を見せ、児童に尋ねるのと同じく、教員の皆さんにもどんな風に見えるかを尋ねました。これを子供たちに見せて、反応を見て下さいと話をしました。

教員の中には国立天文台の4D2Uの動画を知っている人もいましたが、それでは見られない太陽活動の動画も見せました。また全員に国立天文台で使われなくなった理科年表(1~数年前のもの)を差し上げました。理科年表は学生以来しばらくぶりで手にしたという先生方もいて、この見方も説明し、大いに活用してほしいと話しました。また日食のDVD「ひので」衛星のDVDも皆さんで見て下さいと言って、鈴山先生に渡してきました。

「太陽の活動」の話に関連して、教員からは、コロナが高温であるのはなぜか、太陽活動の源は、地球への影響は、などの質問を受けました。

板橋区立板橋第二中学校での活動

大井みさほ会員が、2月9日の午後に、板橋区立板橋第二中学校で行われた教職員教育研究会に参加して、岡村克也高島第一中学校長のほか、教員およそ60名に対して理科部会の研究発表の後で助言などを行いました。

まとまった時間を30分程度もらい、狛江で行なった光ファイバーの授業を紹介し、実際にどのような実験を行ったのかを演示してみせました。若手教員が多いことから、実験例をいろいろと指導してほしいと岡村高島校長から言われていたからです。

また、理科の授業に対して生徒の興味・関心をもたせることに関しても、いろいろな事例を挙げて述べました。演示実験で使用した光ファイバーを、あとで各教員が自分たちがで試してみるために、希望者に配りました。

SSISSのパンフレットを50部持参して配布し、SSISSの宣伝もしてきました。

東京雑学大学での活動

大井みさほ会員が、2月2日に西東京市民会館で開かれた東京雑学大学の第1072回講義で、「台所と物理 -台所は理科の実験室」というタイトルで、およそ50名の受講生にスライドを使って講演を行いました。

はじめに東京雑学大学の菅原珠子理事長から紹介があり、今回で大井会員の講義は5回目であることが告げられました。最初の講義は平成20年で、だいたい2年ごとに講義をしているそうです。
紹介を受けて講義が始まります。

物理学関係の仕事をしてきた人にとって、台所はまるで理科の実験室。熱に関係する機器にしても、ガスバーナー、電熱器、マイクロ波加熱器などの熱を加える装置、それにアルミ鍋、鉄鍋、ステンレス鍋、土鍋、圧力鍋などの加熱用の容器、保温器など。そういう視点で台所と物理の関係をみて、また人が毎日必要とするエネルギーについても考えてみたい、というのが今日のテーマです。

測定する
測定は科学の基礎です。台所には様々な測定器具があります。体積(容積)を測るメジャーカップやスプーン、質量を図る台秤やばねばかり、時間を測るタイマー、温度を測るガラス温度計やバイメタルを利用した揚げ物用温度計、濃度を測る塩分濃度計。

力学
調理をしたりするために、力を加えます。力はモノを動かすとき、動いているモノの速さを変えるときに必要です。モノが重いほど、あるいは速さを急激に変えようとするほど、大きな力が必要です。

速さの変化の割合を加速度と言います。
力=質量X加速度
圧力=単位面積当たりの力=力/面積
一定の速さで動き続けるときは力は必要ない(実際は摩擦などの抵抗があるのでそれに見合う力が必要)。

ということで、ニュートン力学の3つの運動法則が成り立ちます。
3つの運動の法則に加えて、2つの物体の間に働く万有引力の法則があります。地球上のすべての物体も、その物体と地球の間でこの法則が成り立ちます。昔習って混乱したことの中に質量と重さがありました。質量はその物体のもともと持っている量で、gやkgで示します。一方で重さはその物体にかかる重力(地球上では地球の引力による)のことを言い、単位はニュートン(N)を使います。1㎏の物体に対する重力の強さは9.8N(約10N)です。したがって50㎏の人の重力はおよそ500Nになります。昔はニュートンを使わずにkg重とならいましたね。

包丁で切ったり、缶切りで缶を開けたりするときには、力学が関係します。これ以外にも、台所での仕事には「力」が加わって行われるものがたくさんあります。すり鉢、ミキサー、、。急須の底にくっついたお茶っ葉を引き離すとき、逆さにしてとんとたたきますよね、あれは慣性の法則を応用しているのです。

熱力学
熱も物理学の重要なテーマです。煮炊きに熱は欠かせません。熱の逃げ方には、熱伝導、熱放射、対流があります。鍋の材料の熱伝導率を比べると、銅が一番熱伝導率が大きいことが分かります。保温するためには逆に熱伝導率が小さなもので囲むことが必要になります。真空を利用した魔法瓶が良い例ですね。

電磁気学
電磁気学の基本にマクスウェル方程式があります。これを式でなく言葉で表すと、次のようになります。
これを応用したものにマイクロ波オーブン(電子レンジ)があります。電子レンジはマグネトロンから出る2450MHz(波長12.2cm)のマイクロ波を利用して、商品中の水分子(+とーが偏った双極子)を振動させてその摩擦熱で温めます。扉の金網は12.2cmより穴径が小さく、マイクロ波が通り抜けないようにしています。
ですから水を含んだ食品でなければ温まりません。試しに水、バター、サラダオイルを同量とって電子レンジにかけましたが、水以外の温度は上がりませんでした。

熱力学に戻って
液体が蒸発するときは蒸発熱を奪います(夏の打ち水)。これを利用したのが冷蔵庫ですね。
冷媒としてはフロンに代わって、現在はイソブタンが使われています。

力学と熱学をつなげたジュールの実験は有名です。水槽に入れた6リットルの水を、13㎏の錘2個を1.6mの高さからゆっくり下げてることによって羽根車を回転させて撹拌して温めました。20回繰り返したときに0.3度℃上昇したので、水1gを1℃温める1カロリーは4.2ジュールと求められました。
ここで基礎代謝量と、それぞれの仕事に要するエネルギー、それを補うための食品のカロリーを考えてみました。

光学
最後に光学です。野菜などを洗うとき、白いお皿が細かい土や砂などの洗い残しを際立たせてくれるので重宝します。

いろいろと例を挙げましたが、台所は理科の実験室ですね。

講義終了後、質疑応答がありました。台所での調理を誰かのためだなどと考えると嫌になることもあるけれど、今日、教えていただいたいろいろなことを考えながらやると楽しくなりそうです、という感想が印象的でした。

沖縄市立見里小学校での活動

日江井榮二郎会員が、1月20日に沖縄市立見里小学校において、小中学校教員に対して「見える宇宙・見えぬ世界」と題して、サイエンスカフェ方式の対話と講演を行いました。

1)本物の研究者に触れ、科学の面白さを実感する
2)天文に対する思いや感激を話す
3)対話形式
4)今年度の日食の映像
などの話題をコーヒーを飲みながら進めてほしいという要望があったので、それに沿うように努めました。また、あらかじめ2016年版の理科年表、国立天文台・すばる望遠鏡・アルマ電波望遠鏡のパンフレットを現地に送付しておきました。

1958年にスワロフ島で観測された日食を観察しに出かけて、日食病(そんな病名があるとして)になったことを告白しました。それからは、世界各地で日食があれば出かけています。

日食時に観測されるコロナの話をしていたら、なぜ光球より外側にあるコロナが100万度という高温かという質問が出ました。理科年表に記述されている太陽内部~コロナの物理量の表を見ながら、太陽の構造について話し、コロナが高温である観測事実、高温になるべき条件、理論的な研究を述べました。しかし、肝心な点は未解決だと話しました。

これがきっかけとなり、恒星の誕生・成長・死を示す画像を見せ、現在考えられている輪廻(星の一生)のお話をしました。さらに宇宙膨張の事実から、この世界で見えているものは僅かに4%で、見えていない残りの96%が宇宙の構造・活動を支配しているのだと述べました。

生徒たちには教室で、「君たちは星の子」の話をしてほしいと言い、その説明のためのパワーポイントを渡してきました。また理科年表の使い方も簡単に説明しました。

大田区立大森東小学校での活動

有山正孝会員が、1月13日に大田区立大森東小学校の6年生の児童に、「電気と私たちの生活」に関連した実験授業を行いました。

この実験授業は、大田区のおもしろ理科教室の一環としての授業であるため、昨年の12月6日に行った担任と打合せを受けて、教科書・学習指導要領からは逸脱した授業を行いました。

電気の利用と称しているのは、実際は電流を利用しているのであり、それは何故か、どのようにして行われているのか、に重点を置いた授業になりました。ただし、ジュール熱とコンデンサーはこの項目において初めて学習する事項です。

次の順序で、演示実験と児童による実験を入れて、お話を展開しました。

①はじめに:小学校で学習する電磁気関連の項目を振り返る。
②電気って何だ:日常生活の中での電気についての認識の確認(静電気・火花放電の演示を含む)。
③電気の歴史:電磁気学研究小史を通して、静電気と電流の関係を理解する。
④電流の基本的性質:発熱と磁気作用、金属は高温で光を放射すること(演示実験、児童実験)。
⑤磁石は電流が流れている導線を動かす:モーターの原理(演示実験)。
⑥電気を作りだすには:電磁誘導と発電機(演示実験)。
⑦電気は貯めておけるのか:手回し発電機によりコンデンサーの充電・放電を確かめる(児童実験)。
⑧電氣の正体:電子について簡単に解説、電流は電子の流れであること。

6年生にとっては少し難しけれど、とても興味深い内容になりました。おもしろ理科教室にぴったりでした。

狛江市立緑野小学校での活動

江尻有郷会員が、12月19日の午前に狛江市立緑野小学校の4年生3クラスの児童に対して、空気と水に関する実験授業を理科室で行いました。

4年生の理科A:物質・エネルギーには、「空気と水の性質」と「金属、水、空気と温度」という内容があります(残りは「電気の働き」)。事前に理科専任の築山英恵教諭と十分な打ち合わせをして、授業の中ですでに多くの空気および水に関する実験は実施済みなので、授業とは異なる観点からの実験授業をすることになりました。

そこで、改めて次の3つの内容の実験を考えて準備を進めました。
1)温度による気体の変動を、線香の煙の動きで観察する
2)水を沸騰させて気化した時の体積の変化を観察する
3)寒剤を使って温度の変化を測定する(演示実験)

最初に少し基礎的なことをお話。まず「空気と水について」
空気は気体ですね。その成分を知っているかな?酸素、炭酸ガスなどの答えが出ます。
一番多いのは窒素ガス(約78%)で、次が酸素ガス(約20%)、炭酸ガスはずっと少なく1%です。これらの混ざったものが空気です。

それでは水は?水は酸素(O)と水素(H)原子の化合物で、H2Oという分子です。通常の温度では水は液体です。

「物質の形は温度で変化する」
物質の形は、気体、液体、個体に分けられます。温度が上昇すると、固体ー>液体ー>気体と変化します。水の場合は、0度で固体、通常の温度では液体、100度になると気体になります。空気の場合は温度をずっと下げてやらないと、液体になったり固体になったりしません(-196度で液体)。

「温度の表し方」
上に書いた0度とか100度というのはセ氏の温度です(°Cと表示)。水が凍るときの温度を0、沸騰するときの温度を100として、100等分しています。

これ以外にカ氏の温度があります(°Fと表示)が、アメリカとジャマイカなどでしか使われていません。科学の分野で使う絶対温度というのもあります。これはすべての分子が動きを止める温度を0として、セ氏でいうと-273度になります(°Kと表示)。ですから0°Cは273°Kになります。

基礎的なことを理解したうえで、実験をしてみましょう。今日は火気を使うので、十分注意してくださいね。髪の毛はまとめ、袖などは火気の上にかざさないように。

でもって1番目の実験です。テーブルの上にビーカー、アルミフォイル、線香、小型カセットコンロが用意されているので、まずビーカーをアルミフォイルでふたをして隙間をなくします。次に線香に火をつけて、線香をビーカーの中にさし入れて、煙をビーカー内に充満させます。あまり多くない方がいいです。ビーカーの底の片隅をカセットコンロの火で熱して、ビーカー内の煙の動きを観察してみましょう。
上の写真はビーカーの底全体を熱しているので、うまく観察できないかも、、。でも端を熱すると、熱した部分から煙が上昇していき、反対側では上昇した煙が下降していくのが見えました。線香の煙は気体が動くのに伴って、動いているのですね。対流です。

2番目の実験では、試験管、ビニール袋、水量測定用注射器、加熱用スタンド、小型カセットコンロ、水を入れる小ビーカーを使います。試験管に5mLの水を注射器で量りとって入れ、ビニール袋で試験管の口をふさぎ、輪ゴムで止めます。この状態ではビニール袋は平らです。
試験管をスタンドのクランプに挟み、試験管の底がコンロの火の上に来るようにして加熱します。試験管内の水の状態を観察します。
最初は小さな泡が底に生じ、やがて水が動き出して大きな泡を出して沸騰します。それに伴ってビニール袋が膨らんでいきます。水が気化して水蒸気となり、それがビニール袋にたまっていったのです。
試験管に残った水を注射器で再び量ってみると、2から3mLでした。ということは、2から3mLの水がビニール袋を膨らませる量の水蒸気になったことになります。
ボリュームがうんと増えたのですね。どうしてこのようになるか、考えてみてくださいね。

3番目の実験は演示実験です。ジュースを凍らせてアイスキャンディーを作るといったので、みんなひときわ興味をそそられ、教卓の周りに集まってきました。
ビーカーに氷を入れ、寒剤として食塩を使います。デジタル温度計のセンサーをビーカー内に入れて温度を測定しながら、試験管にジュースを入れ割り箸を立てて、ビーカーの中に浸します。温度は下がっていき、マイナス7°Cになりました。ジュースは凍りはじめ、シャーベット状になりましたが、アイスキャンディーのように固くはなりませんでした。みんな食べようと思って虎視眈々だったのに残念!

今日は空気と水が温度によってどのように変化するか、実験をして観察しました。
みんな分かったかな。アンケート用紙があるので後で記入して担任の先生に渡してください。それではこれでおしまいです。

最初の2クラスは実験3まで進みませんでした。最後のクラスはちょっと急いだのとアイスキャンディーに惹かれてテキパキやったので3まで進みました。いずれのクラスでも担任の先生と築山先生が補助をしてくれたのでスムースに進みました。

緑野小学校には理科専任の築山英恵教諭が配置されています。そのためか理科室は備品などがよく整頓されて配置され、理科室の環境はとてもよく整備されていると感じました。終了後に校長室で、大場一輝校長先生と築山英恵教諭を交えてお話をした際にそのことを話すと、幸いなことにそうなんです、と言い、さらに司書教諭もいて図書館の利用で効果を上げているとおっしゃっていました(ここを参照)。

理科教育振興のためには(特に小学校には)緑野小学校のように理科専任の教諭が配置されることが望ましいなと感じました。

狛江市立第三中学校での活動

大井みさほ会員が、12月14、15日に狛江市立第三中学校の1年から3年までの全学年の生徒に対して、「光の進み方(光ファイバー)」というタイトルで実験授業を行いました。

14日の2,3限を1年生2クラス、4、5限を3年の2クラスにあて、15日の2、3、4限を1年生の3クラスに当てました。学年によって進度に違いがあるので、ちょうど学び始めた1年生には光の屈折と反射を丁寧に説明し、すでに学んでいる2年生と3年生には復習をしてもらいました。

レーザーを各実験台に1台ずつ配布し、水槽に入れた水をわずかに濁らせてレーザー光のビームを可視化して観察し、ビームの角度によって水の表面で全反射が起こることを確認してもらいました。この全反射の応用として、プラスチックの四角棒中をレーザー光のビームが全反射を繰り返して進むことを示しました。

次いで光ファイバーとLED光源を渡して、光ファイバーによる光の伝達を実験して光通信の原理を体験してもらい、実際に光ファイバーの両側で点滅して、数のあてっこをしてもらいました。これがモールス信号、今ではデジタル信号で通信する原理です。

光の進み方の観察は、授業の中でも実施しているようでしたが、レーザービームの観察が生徒たちの理解にとても役立つように感じました。

ともかく長丁場の活動でした。

狛江市立第六小学校での活動

細矢治夫会員が、12月6日に狛江市立第六小学校で5年生3クラスに対して「分子の形とはたらき」という単元に関連して、折り紙を使って正多面体を作る実験授業を行いました。

準備として、折り紙で作ったさまざまな正多面体を用意しています。

小学5年生では、まだ原子や分子の話は難しすぎるので、まず初めに、数学や折り紙に興味を持っておくと、中学校や高校の理科や化学の学習が楽しく、わかりやすくなるとことを説明しました。

でもって、形を立体的にとらえる方法として、裸眼立体視を試みてもらいました。児童、一人一人に次のような図形を印刷した紙を配布して、両手に持って目の前にかざし、左右それぞれの図を左眼と右眼で見て、真ん中に浮かんだ3番目の図が立体的に見えるように練習します。
すぐに見えるようになる児童もいましたが、なかなかコツがつかめない児童もいました。後は練習ですね。

次に、折紙で多面体(正八面体と正四面体)を皆に作ってもらいました。最初は正八面体のスケルトンです。折り方図は配ってあります。
かなり複雑なので、丁寧に説明をします。
机の間を回って、できていない児童の手助けも、、。
2つのユニットを組み合わせると、正八面体のスケルトンが出来上がり。両手ではさんで息を吹きかけると、くるくると回ります。

ちなみにミョウバンの結晶は正八面体です。飽和水溶液中に細い糸(髪の毛)に種をつけて吊るすと、結晶が成長して正八面体になるはずです。
ミョウバンの結晶のつくり方へのリンク

次は正四面体です。こちらは折り紙(15cm四方)の四角形の上側2cmを切り取り、それを半分にして長さ13cm幅7.5cmの長方形を作ります。
これを使って次の折り方図で作ります。
今度も折り方を説明し、机の間を回って教えていきました。早く分かった児童が迷っている児童に教えている場面が多くみられました。みんなワイワイ、楽しく作っています。

正四面体は有機化学を習うとすぐに出てくるメタンですね。重心に炭素原子があり、そこから4つの頂点に共有結合の腕が伸び水素原子が結合している分子です。折り紙を通して覚えておけば、先に言って学習したときに立体的に捉えやすくなるでしょう。
(分子模型の図はWikipdiaメタンの項目より)

最後にちょっと数字のお遊び。36は6掛ける6、100は10掛ける10、それでは1936は?
数学をちゃんと理解すると、とても楽しくなるし、これからの学習の役に立つのだよと、強調します。最後になってしまいましたが、持ってきたいろいろな形の折り紙を見せて説明。
先生の方が楽しんでいました。

細矢治夫会員が化学と数学についてどんなことを考えているか、興味ある方は下のサイト「カフェ・デ・サイエンス」の第36回から42回の講演のレポートを読むといいかもしれません。
カフェ・ド・サイエンスのトップページへのリンク